新関果樹園の四季を通した作業風景、収穫した果物、果樹園から見える風景など、果樹園の日常を切り取り、
みなさまに新関果樹園について、より広く知って頂くためのページです。
果樹園の年の始め(1月~3月) | 果樹園のお仕事は、雪の多い冬の時期にもいろいろとあります |
この時期は、主に園地内の剪定作業を行います。剪定作業とは、風通しを良くしたり日の当たりを良くするために、樹木の枝を切る作業です。
1月からこの剪定作業に入り、4月上旬まで続きます。
剪定作業は、枝の張り具合を見ながら大小さまざまな枝を切り落とす
作業なので、体力を使い大変ではありますが、それよりも、剪定した
枝の片づけは腰を曲げて拾い集めるので、そちらの方が一苦労です。
どちらも、立派な果実を着けてくれるよう祈りながらの管理作業です。
雪解けして花芽が動き出したら、さくらんぼの芽を間引いていきます。
果実に十分かつ均等に栄養がいきわたるよう、着果量を減らすのです。
雪解けしたと言え気温はまだまだ低く、脚立を使って花芽を手で
一つ一つ落としていく作業は、寒さとの闘いとも言えます。
剪定後の木々の様子を掲載してみましたが、少し寂しいですね...💦
開花と花摘みと摘果(4月~6月) | さくらんぼが主役のこの時期も、いろいろな果物が実をつけます |
4月下旬に花が咲き始めると、ラ・フランスと林檎の花摘み開始です。
これも、果実に十分かつ均等に栄養がいきわたるようにするためです。
5月中旬、花が散って受粉できた果実の摘果を行います。
ラ・フランスも林檎も、一つの芽から複数の花が咲き実を付けるため、
一つの芽に一つの実が成るよう手入れをしてやることで、立派な果実
に成長します。(写真は、さくらんぼの花が満開の様子です。)
5月中旬から、さくらんぼの摘果作業も行います。
さくらんぼは、蜂と人の手で授粉しますが、着果量は毎年異なるので、
多すぎる場合は、この時期に林檎やラ・フランスと並行し摘果します。
6月初め、さくらんぼの「雨よけテント」を覆います。
さくらんぼは非常に雨に弱いので、雨を避けるために屋根をかけます。テントの骨組みは、パイプを組んだだけの簡易的なものなので、
このテント被覆作業はとても危険なんです。毎年緊張します....💦
テント被覆が終わると、さくらんぼの葉摘み作業です。これは、実の
着色を促すために、実に光が当たりやすくするための作業です。
葉摘みが少ないと着色が良くても色ムラがでたりすることもあるので
当園では全面が赤くなるよう、丁寧に葉摘みを行っています。
6月20日前後から、いよいよさくらんぼ収穫です。
冬からひたすら管理作業を行ってきた成果が、目に見える時期です。
出荷期間も2週間程度しか無いため目が回るほど忙しいですが、一種のお祭りみたいな感じもあり、忙しいながらも楽しい時期です。
まだまだ続く摘果作業(7月~9月) | さくらんぼの次は、ラ・フランスと林檎が待ってるんです |
さくらんぼが終わると、7月中旬~8月初めにかけて、ラ・フランス、りんごの仕上げ摘果作業です。5月に摘果して大きくなった実ですが、その時点では分からなかった欠点のある実や、着果量が多い箇所を
摘果していきます。摘果後の畑を初めて見た方が、地面にびっしりと
落ちている実を見て驚かれることがあるくらい落とすこともあります。
8月下旬に、りんごとラ・フランスの一次収穫をします。このふたつは
販売期間が短いこともあり、この時点の一部の実を収穫し確認すること
で、秋以降のその年の販売状況を占っています。
9月20日頃から、りんごの葉摘みが始まります。
りんごを着色させるため、果実のまわりの葉をとってしまう作業です。どの向きの葉が、果実に日の光が当たるのを妨げているか、一つ一つ
確認しながらの作業なので、小規模果樹園といえど手間がかかります。
「甘い蜜をいっぱい溜めて、立派な美味しい林檎に育つんだぞ~!」とか「ジューシーでねっとりと柔らかい、西洋梨に育つんだぞ~!」という、大きな期待と強い想いをこめて作業をしてます。
果樹園の1年の総仕上げ(10月~12月) |
ラ・フランスと林檎の収穫・贈答発送でようやく1年の仕上げ |
10月上旬~中旬頃に、ラ・フランスを収穫します。
果実の硬さやデンプンの抜け具合から収穫時期を決定し、収穫した果実
は冷蔵庫で予冷します。
予冷とは、低温冷蔵庫に入れて果実の呼吸を抑制することをいいます。
予冷されたラ・フランスを常温に戻すと、ラ・フランスは一斉に呼吸が
旺盛になってデンプンを糖分に変え、予冷から追熟(常温に出して)
約2週間後が食べ頃の完熟になるのです。
食べ頃の見極めが難しいラ・フランスは、予冷によってその時期を
調整してお届けしています。なお予冷期間は、園によって様々です。
10月中旬から、りんごの2回目の葉摘みと玉まわしを行います。
1回目の葉摘み以上に、さらに光を当てるため葉摘みを行います。その後、りんご全面が綺麗に着色するよう、光の当たっていた面と当たっていなかった面を反転させます。これを「玉まわし」といいます。「玉まわし」はりんご1つ1つの着色状態を確認しながらの作業になるので、地道で大変な作業ですが、とても重要な作業です。
11月中旬から、りんごを収穫します。特にふじは、蜜がしっかりと入ったことを確認してから収穫をします。
12月下旬までかけて、収穫したりんごやラ・フランスなどの贈答発送を行います。これらの贈答発送がひと段落したら、ようやく1年の作業を無事に終えたことになります。
新しい年を迎えるための師走の忙しさに加え、当園にとって一年の集大成ともいえる作業なので、お手伝い頂く方々も含め、みんな、最後まで気を抜かずに作業をします。わたしたちが丹精込めて育てた果実を、より多くの方に味わっていただけると嬉しいです♪♪